『二十日鼠と人間』観劇雑感


『二十日鼠と人間』東京千秋楽おめでとうございます。

23日、健くんに会いに行きました。
詳細にレポや考察をしたい気持ちはありつつ、未だに消化しきれずにこんがらがりまくってるくらい超絶どんより引きずってるから(笑)
こっちでは内容的なことは簡潔にして詳しくは自分のノートに綴ることにした。

で、実はというかなんというか、FCでチケット取れず、一般もまあ取れず、日常の諸々にかまけてたらなんとあと1週間で東京公演が終わってしまうことに先週日曜の夜に突然気づいてしまった。

わたしは微妙な田舎から出て行くのと夜出歩くのが好きではないのとでマチネしか観ない。
となると火金土日しか行ける日がもうなかった。
当日券取れるかどうかは神のみぞ知る(笑)だからもしや行けないで終わってしまうのではないかと気づいた時点で半ば諦めていた。

とりあえず電話しないことには始まらないので、月曜12時からスマホに貼り付いて電話をかけまくった。
13時を過ぎても繋がらなくて、一度電話をやめた。
でもやっぱり諦め切れずに最後の一回と思って10分後にかけたらいきなりつながっちゃってだいぶ慌てた。(笑)

今回は開演1時間40分前に着いた。
まあもともと当日券受付のために開演1時間には到着してなきゃいけなかったことを考えれば、その30~40分前の到着など誤差の範囲である。

とはいえ今回はまじで人がいなくて、え?間違えちゃった?明日だった?もう始まっちゃった?(錯乱)とかちょっといろいろと焦ったな。

健くんに会える~❤っていうウキウキが雲散霧消するくらい、大袈裟に、雑に言うと鬱展開に次ぐ鬱展開、そして極めつけの鬱エンドで今まで観たなかではぶっちぎりで笑いどころがなく悲惨というか…とにかくむごい物語だった。

あらすじも結末も事前に知ってて、覚悟はして行ったんだけど。
それでも観なきゃよかった1と思ってしまうくらい、突き刺さり抉られるような、なかなか消えない強い痛みがまだ残ってる。

そういうわけだから例によって例のごとく自分でも引くほど泣いたのはまあ、いいとしても、わかってたのにラストには思いっきりハッと息を呑んで、音は出さないように必死こいたけど「あああ……」っていう嘆きと絶望の声にならない声が暗転のなかでどうしても抑えきれなかった。

そんな有様だったからカーテンコールは気持ちの切り替えが間に合わなくて、ちょっとぐすぐすもたもたしてしまった。
最後の最後に健くんがレニー役の章平さんにお姫様抱っこされてバイバイして去ってったの超かわいかったな。
二階の上手端の方だったから最後の最後まで見えてたのよ。
それでやっと少しだけメンタル回復した。

観て楽しいものではないよ。
見直して細かいセリフ、拾いきれなかった伏線拾ってみたいけど、繰り返し観たいなんて到底思えなかった。
救いがなさすぎて、苦しすぎて。

一度の観劇でメンタルがどっと疲れたし、未だに思いや考えがぐるぐるして全然消化出来ずにいるというのに何ヶ月も稽古して演じ続ける役者さんはすごい。
あれは相当エネルギー要るよ…

呆けたようにふらふらと乗り込んだ電車で帰り道のお供に選んだのはTTTセトリ、というかなぜか猛烈にちぎれた翼、days -tears of the world-Change Your Destiny、会って話をが聴きたくなった。

ちぎれた翼の「罪人」「許されぬ願い」「見上げて~あるんだ2」「深い哀しみ背負って今」「希望から絶望へと風向きに逆らえない」「絶え間ない痛み 果てない孤独」3

days -tears of the world-の「この場所で4」「繰り返し5」「傷つけあった日々」「手をとりあった日々」「空を見上げて泣いた」6

会って話をの「本当はいいヤツ、とか言い訳しても」「正しさの~囚われてた」7

聴いてみると、どれも全然関係ない曲たちなのに、物語の端々にリンクするように感じてひっかかる言葉がやたらとたくさんあって。

そしてちぎれた翼の「揺れる水面」、Change Your Destinyの「水面の輝き」のフレーズが最も悲しい最後の瞬間と重なって涙がこらえきれずに電車の中で変な人になってしまった。

Change Your Destiny聴きながら、ジョージとレニーは運命を変えられなかったんだと思った。
クルックスが「大勢と同じ夢物語でしかなく、叶えられた人なんていない(大意)」と言った通り、その運命に抗えなかったのだと。
それは時代のせいでもあり、レニーの持つものによってでもあり。

形になり始めていた夢が、零れ落ち、粉々になる。
そしてそれは単に壊れただけのことでもなくて。

あ~~~無理。
やりきれない…

考えこみすぎて立ち直れなくなるから(笑)内容とかわたしの思ったこととかはこれくらいにして、最後に健くんについて!

荒っぽい言葉遣いや怒声、あからさまな敵意と冷淡な態度、絶望や悲痛の表情。
全身神経集中して魅入ってしまったな。
普段のいたずらっぽく明るい健くんとはかけ離れた表情ばかりで。

ある種のギャップ萌えというか、違うんだけど、愛が深まった。(?)
もう…そんな健くんも好きだよ……みたいな。

完全に余談だけど花乃まりあさんは一言目から「おっ宝塚だ!」っていうよくわかんない感想を抱いた。
宝塚拝見したことないんですけどね…
なんか…イメージ…ごめんなさい…
ゾッと鳥肌立つほどの大絶叫が耳にこびりついて…もう…

余談ついでにもっとくだらない感想を付け足すと、序盤の川辺で怒ったジョージがナイフ(?)振り回してそのへんにやたらめったらに当たり散らしてた時、切りつけた藁みたいのが1本ピューンって客席に飛んでったのは思わず目で追ってしまったな。(笑)

たったこれだけのことをここに書き出してまとめるのに1週間近くかかってるという事実にどんだけ引きずってんだって我ながらちょっと引いてる(笑)

ほんとはいろいろ心情とか考察とか書いてたんだけど、まとまらなすぎるし酷すぎるからやめた。
結果こんな全然伝わらない感想になっちゃったけど、この程度のくだらないこと言ってふざけてないとバランス取れないんだよ…

それくらい深い爪痕を残す作品だったということです。

  1. 「観なきゃよかった」というと超語弊がある。この舞台も、読んでないけど原作自体も、観てないけど映画も素晴らしいんです。観てほしい、読んでほしい、知ってほしいとも思ってる。でも描き出されるむごさ、救いのなさがわたしはトラウマになった[]
  2. このフレーズはジョージがレニーに川の方を向かせて話をしてる最後の場面を想起させた[]
  3. ここまで引用*作詞:MIZUE『ちぎれた翼』[]
  4. 面倒を起こしたらここで落ち合うと約束した川辺のイメージ[]
  5. 何度も言って聞かせなければならないジョージ、何度も同じ言葉を繰り返すレニーのイメージ[]
  6. ここまで引用*作詞:浅田直『days -tears of the world』[]
  7. ここまで引用*作詞:堀込高樹『会って話を』[]